祖霊舎(それいしゃ)と信徒壇(しんとだん)
神道でご先祖様をお祀りする際に使用する神殿が祖霊舎です。
御霊舎(みたまや)と呼ばれることもありますが祖霊舎が一般的です。
神道の考えの源には自然への感謝の気持ちが大きくあります。
ですのでお祀りに使用する祖霊舎も自然から頂いた姿のままという考えから白木のままでお造りします。塗装を施すと中に何が入っているかわからない偽りの姿と考えられています。
祖霊舎に使用する木材は桧です。人々の霊のこもった木材を使用してご先祖様をお祀りする神殿を造ってあげようと思う人の心から、「霊(ひ)の木」で「ひのき」です。
桧の中でも伊勢神宮が使用している木曾桧(尾州桧)が香り高く木目も美しいので最高の桧として考えられ祖霊舎にも使用されています。
祖霊舎の他に信徒壇という神殿をよく耳にします。
これは仏壇メーカーさんが作ってる商品で、仏教徒用の仏壇に対して神徒用の仏壇で信徒壇です。仏壇をベースに作っていますから神殿全体に塗装が施されていますので正式なものではありませんが祖霊舎の代わりとしてご使用になられても問題はありません。お祀りする方のお好みでお選びください。
祖霊舎には霊璽と神具の両方を納めることの出来るタイプと、霊璽だけを納める小型のタイプの2種類がございます。
どちらかと言いますと、尊いご先祖様の霊をお祀りする御霊舎(みたまや)ですからお供えの品も一緒に納められるタイプのほうが正式な祖霊舎となります。
神道では「神様を納める社やお供え物を直に物の上に置くことは失礼なこと」という考えから、小型の祖霊舎には下に敷く棚板の様なものを用意する必要があります。棚板を用意し、その中央に祖霊舎を置き、その周りに神具をお飾りします。
棚板は神棚と同じように壁に取り付けても、そのままタンスなどの上に置いてお祀りしても結構です。
正式な祖霊舎は、社本体が清らかな空間となり霊璽と神具をお飾りできますので、そのまま仏間やタンスの上に直接置かれて大丈夫です。