神道(祖霊舎)と仏教(仏壇)の祀り方の違い
今の日本には多くの「先祖供養」のやり方があります。一番神道と比べられるのは仏教でしょう。
仏教徒の方は自分が属する宗派に合った仏壇を購入し宗派のご本尊となる仏像をお祀りします。その脇にご先祖の位牌を安置して、仏像(仏さま)を通して祖先を想います。仏像をメインとしたお祀りの為、おもてなしの気持ちから揃える仏壇や仏具もきらびやかなものが目立ちます。また仏教ではご本尊となる仏像や位牌は目で見てお祈りします。
これに対して神道では、自分たちの祖先が神様そのものと成りそして祖霊舎にて祀られます。直接御霊(ご先祖)と向き合って手を合わせるのです。用意する祖霊舎、霊代も神道の考えから「偽りのない本当の姿」すなわち「塗装をしない」「生地のまま」の「穢れのない白い木」白木(桧)作りです。祖先を想う気持ちが形になったものですので、神具もシンプルで、土から作られた陶器(白い瀬戸物)などで揃えます。
揃えるものは、
- さかき (一族の繁栄(「さかえる」)を願う)
- ご神酒 (「いのち」の「ね」である「いね(稲)」から採れるもの)
- 米 (大地の恵みの代表)
- 塩 (海の恵みの代表)
- 水 (すべての生き物の命の源)
- ローソク (聖域を清める炎)
- 鏡 (心の中の神を映し出す)
の基本7点です。
また神道では、神は神聖なもので直接目にしてはいけないもの(目に見えぬもの)との考えから、仏教の位牌とは違い、祖霊舎に納める霊代(霊璽=れいじ)には鞘(さや)と呼ばれる蓋が付き、人の目に触れぬように気遣われています。この鞘は一年365日外すことはほとんどありません。この点が神道と仏教の大きな違いです。