神様へのおもてなしの心
神様は目に見えません。
お札と言うものを依代とすることで初めて目にすることが出来ます。
神社から授かるお札とは神様そのものなのです。
神様をお迎えした以上、丁寧におもてなしをする室礼(しつらい)が必要になります。
古代から人々は、神の住まい、神の座をはじめ神饌を準備する儀礼的な装飾をして、目にすることはできないカタチなき神々に対しても丁寧で最高の礼儀を尽くしました。
現代、神々に対する気持ちや考え方も様々に変化していますが最低限の作法は守っていきたいものです。
神と言う尊い存在(依代)を人が直接目にすることはとても失礼なこととされています。
聖域の中に神殿を用意してその御扉の中に丁重に安置します。
神々に対して神饌を奉献することもとても重要な作法です。
最高のお供え物である神饌・御饌(みけ)を差し上げておもてなしをすることで、神の霊威は高められお祀りする人々がその神威に包まれ、また、神々に奉げた神饌・御饌を分けていただき神と食膳を共にする直会(なおらい)により神と人が一体となりその神威を享受することが出来るのです。
このことは神社祭式にも見られます。
式の流れの中に「献饌(けんせん)」「撤饌(てっせん)」という動作があります。文字通り神様に神饌を差し上げ、下げることなのですが、この2つの動作の間に祝詞奏上や玉串奉奠(たまぐしほうてん)などが組み込まれており、神様の食事中に神事が進行することを意味します。
目に見えない神々に対して、お供え物をすることはとても重要な儀礼なのです。
このように、神々へのおもてなしには「住」と「食」がとても大切なものになります。
一般家庭において神様をお祀りする際も、神棚(棚板)と言う聖域にお宮と言う神社を設け、感謝の供え物をすることが基本となります。
最近、お札丸見えの壁掛け宮をネットでよく目にするようになりましたが、出来ればお供え物もしっかりお飾りできる神棚を設置して大切な神様をおもてなししたいものですね。